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2000 年度 実績報告書

耐肥性の異なるイネ品種における炭素代謝制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12760013
研究機関名城大学

研究代表者

平野 達也  名城大学, 農学部, 講師 (30319313)

キーワード耐肥性 / イネ / 窒素 / デンプン / デンプン枝作り酵素 / デンプン枝切り酵素
研究概要

耐肥性の異なるイネ品種の葉鞘におけるデンプン蓄積に及ぼす窒素施肥量の影響を調査するため、耐肥性の高い日本型品種の日本晴と耐肥性の低いインド型品種のTetepおよびJohnaを3段階の異なる窒素施肥量下で栽培し、葉鞘の炭水化物含量の変化を解析した。第11葉期の第10葉鞘および第14葉期の第13葉鞘では、耐肥性の違いに関わらず、すべての品種において多窒素条件によりデンプン含量が低下した。しかし、出穂期の第13葉鞘に関しては、耐肥性の高い日本晴では窒素施肥量間でデンプン含量に差はなかったが、耐肥性の低いインド型2品種では多窒素施肥によりデンプンの蓄積は低いままであった。以上のことから、耐肥性の高い品種では多窒素施肥条件下においても出穂期にかけて葉鞘にデンプンを多く蓄積し、出穂前同化産物量を高く維持することが示唆された。
次に、葉鞘のデンプン代謝関連酵素の活性に及ぼす窒素施肥量の影響を調査した。葉鞘のデンプン合成に関与している酵素のうち、デンプン枝作り酵素の活性がデンプン蓄積量と高い正の相関関係にあり、耐肥性の低い品種の葉鞘における多窒素条件下でのデンプン蓄積量の低下にこの酵素が関係している可能性が考えられた。また、デンプン分解だけでなく、デンプン合成時にも重要な役割を持っているとされているデンプン枝切り酵素の活性もデンプン含量の変化と類似した動きを示した。以上のことから、上記2酵素の活性の変化を通じて、耐肥性の異なるイネ品種において葉鞘のデンプン蓄積量の差異が生じていることが考えられた。今後は、葉位別に経時的な活性の動きおよび酵素遺伝子の転写量を解析し、またこれらデンプン代謝関連酵素の窒素による制御機構について調査する。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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