研究概要 |
東京・バンコク・メトロマニラについての,行政界,地形・地質・植生等の土地的自然的データを収集し,地理情報システム(GIS)を用いた環境データベースを開発した。同時に,人口・土地利用・雇用状況等の社会経済的データの収集を進め,行政界毎に収集されるこれらのデータをGIS上で前記の環境データベースとリンクさせた。また,SPOT,JERS/OPS等の衛星データから,都市化による土地被覆の変化について考察を行った。 メトロマニラについては,人口密度の空間分布を解析するとともに,土地利用の混在に注目し,フィリピンのメトロマニラにおける都市化の特徴について研究を進めた。その結果,人口密度が急速に増加した地域は中心都市であるマニラ市を取り囲むようにベルト状に展開していることが考察された。この地域では同時に,都市的土地利用と農業的土地利用の混在がみられた。このことから都市の拡大と土地利用混在の相関が高いことが示唆された。以上の研究成果は,日本都市計画学会学術研究論文集35号,International Symposium on City Planning(2000)において発表した。 バンコクについては,都市化の歴史的経緯,土地利用混在の状況等について現地調査を行い,情報収集を行った。 東京については,近郊の流山市と横浜市都筑区を対象地区として取り上げ,1960年代以降の都市化の特徴と混在度の変化について考察した。また農業センサスのデータから農業形態の変化との関連性についても考察を進めた。これらについては,農村計画学会学術研究発表会(2001)において発表を予定している。
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