研究概要 |
平成13年度は,以下の3項目の内容で研究を行い,それぞれの結果が得られた. 1.カリフフワー花蕾培養法および効率的な植物体再生系の確立 平成12年度に行った実験によって確立できた高い再分化率を示すカリフラワーの再分化系をさらに発展させ,「花蕾すりおろし法」の適用について検討した.「花蕾すりおろし法」とは,おろし金などを使用してカリフフワーの花蕾球を細かい断片にして培地に置床する方法であり,操作が簡単で時間も短縮できる.カリフフワーの再分化植物体の獲得において,「花蕾すりおろし法」を用いた再分化系は,通常の花蕾を切除して培地に植える再分化系と比較して再分化効率・順化効率が高いと考えられた. 2.カリフフワー形質転換系の検討 アグロバクテリウムを用いてカリフラワーのすりおろした花蕾から直接感染させたが,形質転換個体の獲得には至っていない.この原因としては,アグロバクテリウムと植物の共存期間・感染時の濃度等が考えられた. 3.ウラギクのsamip遺伝子を導入した植物用形質転換ベクターの構築 平成12年度の結果により全長の塩基配列が明らかになったsamipAおよびsamipB遺伝子を,バイナリベクターpBE2113のT-DNA領域に挿入し,ウラギクのアクアポリンをコードする遺伝子を含む植物用形質転換ベクターを構築した.samip遺伝子が35Sプロモーターの下流にクローニングされていることを,制限酵素消化および塩基配列決定によって確かめた.
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