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2000 年度 実績報告書

マイナス鎖RNAウイルス遺伝子操作系の確立に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12760033
研究機関岡山大学

研究代表者

近藤 秀樹  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (40263628)

キーワード植物ウイルス / マイナス鎖RNAゲノム / 遺伝子操作系
研究概要

マイナス鎖RNAウイルスの遺伝子操作系を確立するにあたり、ウイルスゲノムの転写、複製、粒子形成などに関与するシグナルの解析と、ウイルス複製酵素の解析が必要であると考えられる。そこで、本年度はランえそ斑紋ウイルス(OFV)をモデルウイルスとし、ウイルスの複製、転写などのシグナル配列の解析を行うとともに、複製酵素の同定を行った。
1.ウイルスの複製、転写などのシグナル配列の解析:RNA1には5種のタンパク質、RNA2には推定複製酵素をコードされるが、それぞれはモノシストロニックなmRNAとして発現していることがわかった。これらのmRNAの転写の終結配列は各mRNA間でよく保存されていたが、5'末端の転写開始配列は最初の2塩基が保存されているだけであった。また、ゲノム上の遺伝子の結合領域には転写されない4塩基からなる介在配列も存在する事が明らかとなった。OFVの遺伝子発現には介在配列を含むこれらの保存配列が重要な働きをしているものと推定された。また、ゲノム3'末端部には短い非コード領域(リーダー配列)が存在するが、この領域も転写されていることが確認された。このリーダーRNAは転写、複製に重要な働きをしているものと推定された。現在、これらの知見をもとにしたゲノムRNA両端を持つ人工ミニゲノムの作成と、ゲノム全長cDNAのクローニングを進めている。
2.ウイルス複製酵素の解析:RNA2の212kDaタンパク質はラブドウイルスとの相同性解析により複製酵素であると考えられる。この推定複製酵素遺伝子の一部領域を大腸菌で発現させ、ウサギに免疫して得られた抗体により、本タンパク質が粒子内に微量存在することが確認された。このことから、ウイルスの感染にはこの推定複製酵素の供給が必須であると示唆された。今後、複製酵素複合体をウイルス粒子や感染植物から精製するとともに、その活性を検討したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kitajima,E.W.,Kondo,H., et al: "Comparative Cytopathology and Immunocytochemistry of Japanese, Australian and Brazilian Isolates of Orchid fleck virus"Journal of General Plant Pathology. (発表予定). (2001)

  • [文献書誌] 近藤秀樹,玉田哲男: "ランえそ斑紋ウイルス(OFV)の介在配列とmRNAの転写開始配列および終結配列"平成13年度日本植物病理学会講演要旨集(講演要旨). (2001)

  • [文献書誌] 近藤秀樹,玉田哲男: "ランえそ斑紋ウイルスの複製遺伝子の解析"日本植物病理学会報(講演要旨). 66-3. 298 (2000)

  • [文献書誌] Hirano,S.,Kondo,H., et al: "Burdock mottle virus has a high genome similarity to beet necrotic yellow vein virus."Proc.4th Symp.Internat.Work.Group Plant Viruses with Fungal Vectors. (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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