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2001 年度 実績報告書

クエン酸放出型低リン酸耐性を支配する複数遺伝子群の特定と分子育種基盤の構築

研究課題

研究課題/領域番号 12760042
研究機関岐阜大学

研究代表者

小山 博之  岐阜大学, 農学部, 助教授 (90234921)

キーワードクエン酸放出
研究概要

クエン酸等の有機酸を根端から放出する現象は、植物の酸性土壌耐性を支配する因子であると考えられると共に、作物のアルミニウム耐性及び難溶性リン酸利用能力を強化するための有力なターゲット形質であると考えられている。これまでの一連の研究で申請者が研究材料としてきた低リン酸耐性ニンジン培養細胞は、小麦・トウモロコシなどの耐性品種と同等以上のクエン酸放出能力を持ち、難溶性リン酸A1を可給態化する能力を明確に示す変異体である。この形質は細胞融合法により個体に直接導入可能な形質であったが、再分化個体の種子形成能力の喪失(いわゆる不稔)により育種に直接応用するのは困難であった。本研究では、変異細胞の耐性形質を支配する遺伝子群を単離して、遺伝子組換えによる育種の基盤を構築することに目的を定めた。
当該年度は、平成12年度に引き続き、遺伝子単離と培養細胞系における遺伝子組換え実験による実証試験に主眼を置いて研究を進めた。その概要は以下の3点に要約できる。1)生理学的な解析からクエン酸合成の基質であるアセチルCoAの前駆体(ピルビン酸)を供給するピルビン酸キナーゼ活性が増加していることを突き止めた。2)この酵素の遺伝子をディジェネレートプライマーを用いたRTPCR法等により単離した。尚、イネからは全長を単離した。3)細胞膜のクエン酸輸送の共輸送イオンである細胞膜H+ATP分解酵素遺伝子を単離し、アンチセンス法で発現レベルを抑制した変異細胞由来の組換え培養細胞を作成した。尚、遺伝子単離に関しては、一連の酵素群が全て転写レベルの変異によることを突き止めたため、インバースPCR法などにより、プロモーター領域を単離し、今後、当該研究の中心となる"低リン酸応答転写因子"解析の基盤となる材料を獲得した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kihara et al.: "Characterization of NADP-isocitrate dehydrogenase expression in a carrot mutant cell line with enhanced citrate excretion"Plant Soil. (In Press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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