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2000 年度 実績報告書

炭酸固定を触媒する微生物脱炭酸酵素によるCO_2の分子変換

研究課題

研究課題/領域番号 12760050
研究機関岐阜大学

研究代表者

吉田 豊和  岐阜大学, 工学部, 助教授 (90220657)

キーワード脱炭酸酵素 / 炭酸固定反応 / 微生物触媒 / ピロール / インドール / 微生物機能開発
研究概要

脱炭酸酵素は逆反応で炭酸固定を触媒しないとされているが、ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素は炭酸固定をも触媒する新規酵素である。ピロールへの炭酸固定活性に注目すると、化学合成では困難な位置特異的な炭酸固定反応を触媒することから、二酸化炭素の分子変換への応用も可能である。しかしながら、ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素の酵素構造・反応機構に関する知見は全くない。また、同様の反応を触媒する酵素の報告はない。そこで、ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素遺伝子のクローニングを進め、一方でさらに新たな脱炭酸酵素の探索を行った。
ピロール-2-カルボン酸脱炭酸酵素の構造解析:精製酵素タンパク質をプロテアーゼ消化し、得られた断片のアミノ酸配列を解析した。配列に基づきPCR用プライマーをデザインし、PCR法によって酵素遺伝子の一部を増幅させ塩基配列を解析した結果、既知のいずれの脱炭酸および炭酸固定酵素とも有意な相同性を示さず、一次構造上でも新規な酵素であることが判明してきた。しかし、タンパク質全データベースに対して相同な一次構造をサーチしたところ、40%程度の相同性を示す機能未知の微生物タンパク質が数種認められた。このことは、微生物界に可逆的に炭酸固定反応を触媒する脱炭酸酵素郡が存在することを示唆している。
インドール-3-カルボン酸脱炭酸酵素の発見:インドール-3-カルボン酸の脱炭酸を触媒する微生物を土壌から分離した。活性を高める培養条件を検討し、脱炭酸活性を約100倍にまで高め、炭酸固定能の有無を評価した。細菌株に見られた脱炭酸酵素はインドールへの炭酸固定をも触媒することが判明し、2-メチルインドールも良好な基質となった。酵素活性は酸素感受性が高く、還元剤の添加が反応を促進することが明らかとなった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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