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2001 年度 実績報告書

食中毒菌に高い抗菌効果を示すバクテリオシンの作出

研究課題

研究課題/領域番号 12760083
研究機関東北大学

研究代表者

川井 泰  東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00261496)

キーワード抗菌性ペプチド / バクテリオシン / 乳酸菌
研究概要

ヒト乳児(2ヶ月齢)糞便より分離したLactobacillus reuteri LA6株により生産される、食中毒菌(Bacillus cereus)に対して抗菌効果を示すバクテリオシン、ロイテリシン6を改良MRS培地培養上清より最終ステップに逆相クロマトグラフィーを用いて単離・精製した。本バクテリオシンは、Tof-MSによる分子量測定では5,652、SDS-PAGEでは分子量約3,800の単一バンドとして泳動し、N末端アミノ酸配列分析は何らかの理由で解析は不可能であった。本結果はロイテリシン6が、同一ヒト乳児(4ヶ月齢)の糞便より分離したL.gas seri LA39株により生産される、リステリア、バチルス、黄色ブドウ球菌に対して幅広い抗菌効果を示すバクテリオシン、ガセリシンAに非常に類似していると考えられた。そこで、ガセリシンAの構造遺伝子(gaaA)を含む領域のプライマーを作成し、L. reuteri LA6株(プラスミドDNAは保有していなかった)の染色体DNAを鋳型としたPCRを行い、塩基配列を決定したところ、gaaAと全く同一の配列が得られた。次いで、化学的・酵素学的手法を用いて、精製ロイテリシン6を切断し、全アミノ酸配列を決定したところ、ロイテリシン6は、ガセリシンAと一次構造上では区別の付かない全く同一の、NC末端がリンクした環状バクテリオシンであることが判明した。本結果は、分離源を同じとする、異種乳酸桿菌より、同一のバクテリオシンが生産される初めての知見であり、現在、両バクテリオシンの抗菌スペクトル等の性質上の相違点について解析を進めている。これらの知見は、遺伝子改変を用いずに、自然界の乳酸菌で効果的な抗菌スペクトルを有するバクテリオシンの作出が可能であることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Y.Kawai et al.: "Lactobacillus reuteri LAb and Lactobacillus gasseri LA39 molated from faeces of the same human infant produce identical cyclic bacteriocin"Food Microbiology. 18. 407-415 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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