コツブタケ(Pisolithus tinctorius)2菌株、ヌメリイグチ(Suillus luteus)、アミタケ(Suillus bovinus)2菌株、チチアワタケ(Suillus granulatus)、Cenococcum geophilum、ニオイコベニタケ(Russula mariae)、ハツタケ(Lactarius hatsudake)、ショウロ(Rhizopogon rubescens)、未同定菌(Tanashi 01)の計11菌株の外生菌根菌を用いて、各種N源による培養試験を行った。テストしたN源はアンモニア態、硝酸態、アンモニア態+硝酸態、尿素、グルタミン、グルタミン酸、アスパラギン、グリシン、グルコサミン、ガラクトサミン、アルブミンとN源を含まない対照区の計12処理区を行った。その結果、多くの外生菌根菌が硝酸態よりもアンモニア態での生育がよかった。また、有機態窒素の中ではグルタミン上での生育が良好な菌が多く、ショウロやアミタケなどはアンモニア態よりも良かった。ニオイコベニタケや田無菌は尿素を窒素源としても良好に生育した。C.geophilumのグルタミン酸上での生育が、他の窒素源に比べて目立っていた。アルブミンを利用できる菌は少なかった。しかし、ハツタケはアルブミン上での生育がほかの窒素源に比べて良好であった。このように、菌の種によって各種N源に対する嗜好性は大きく異なることが明らかにされた。
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