木本植物の多くは、春先の開芽やシュートの伸長時にそれらの組織が赤色を示す。また、落葉時にも赤色を示すことが知られたいる。これらの色素の多くは植物色素のアントシアニンであることが報告されている。しかし、アントシアニンは植物の二次代謝生産物であるために、その生理的機能についてはあまり研究が行われていなかった。近年、アントシアニンには、動物細胞における活性酸素やラジカルの除去、抗酸化に効果のある物質であることが多くの研究者によって明らかにされ注目されている。アントシアニンの機能に関する報告は動物細胞で多くの研究が進められている。一方、植物細胞に関する方向は果実やマメ科の植物にみれれるのみで植物細胞における研究はあまりみられない。そこで、春先の新葉に多くの赤色色素を含むクスノキを用いて1)アントシアニンの分析方法の確立2)葉の成長とアントシアニンの消長の関連、3)植物ホルモン処理がアントシアニンの生成に及ぼす効果、4)アントシアニン生成と内生植物ホルモンの関与を検討することを目標としている。平成12年度はODS-HPLCとLC/MSの組み合わせによるアントシアニンの同定方法とODS-HPLCによる定量方法を確立した。さらに、この方法を用いてクスノキ新葉に含まれる赤色色素の分析を行った。その結果、前述の手法を用いてクスノキの新葉に含まれる赤色色素の分析を行った結果、シアニジン3-グルコサイドとシアニジン3-ルチノサイドが同定され。
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