研究概要 |
1.サケ科魚類比較遺伝子地図の基礎となるニジマス遺伝子地図の作成 サケ科魚類比較遺伝子地図を作成していく上で基礎となる,サケ科魚類でもっとも解析が進んでいるニジマス遺伝子地図の解析をさらに進め,現在までに,219遺伝子座,29連鎖群からなる連鎖地図を作成した. 2.イトウ(Hucho perryi)遺伝子地図作成のための解析家系作出 イトウの増養殖技術が確立されている北海道大学,水産学部,七飯養魚実習施設(山羽助教授)の御協力により,遺伝子地図作成のためのイトウ解析家系の交配を試みた.系統の異なる組み合わせで交配を行い,現在までに4家系を作出した.また,親魚および稚魚の鰭,血液等からDNAを抽出した. 3.ニジマス由来マイクロサテライトマーカーを用いたイトウ(Hucho perryi)におけるPCR 申請者が作成したニジマス遺伝子地図で用いられているニジマスマイクロサテライトマーカーは,国際共同研究グループのサケ科魚類比較遺伝子地図の中心的なランドマークとなっている.そこで,26個のニジマスマイクロサテライトマーカーを用いて,イトウでの利用の可能性の検討した.その結果,14個のニジマスマイクロサテライトマーカーで単一のバンドが増幅された。今後は,これらマイクロサテライトマーカーのイトウにおける多型性を調べ,イトウ遺伝子地図に用いていく予定である. 4.イトウマイクロサテライトマーカーの単離 イトウ遺伝子地図の基本構造を構築するためには,イトウマイクロサテライトマーカーの単離が必須となる.そこで,イトウゲノムライブラリーを作成し,イトウマイクロサテライトマーカーを単離を試みた.現在までに,(CA)nを含むマイクロサテライト陽性クローンを約500個単離することに成功した.これらのクローンの解析を進め、イトウ遺伝子地図を作成する.
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