研究概要 |
(1)流域における河岸林の評価をした。 ・地形図を用いて流域全域の土地利用を分析した。 ・抽出された地域について、航空写真を用いて土地利用を詳細に分析した。 (河畔林、森林、畑、家畜を分析) (2)水質の潜在的な変化を評価した。・既存の水質データの整理をした。・抽出された地域における水質調査をした。 場所は北海道とインドのタミールナデュ。(予定していたインドネシアはビザが取得できなかった為、インドに変更)項目はBOD,COD,EC,PH,T,Salinity,TDS,ORP,濁度,窒素およびリン。 (1)北海道、十勝川45ヶ所分析した結果、平均として他の畑や森林等に比べて河畔林のNO3-Nは31.8%低いということが分かった。河畔林と水質との関係において、各支川は、下流に行くにつれて硝酸や塩素の濃度が高まってくるということがわかった。これは畑地帯での施肥によるものと推測される。しかし、河畔林帯を通過することで、硝酸イオンと塩素イオンの低減が顕著であることが言え、また、TDSやDOも河畔林の存在と土地利用状況の影響を大きく受けていた。以上の結果に基づき、農村土地利用における河畔林の位置づけを図式化した。河畔林の存在が、水と土を保全することは既に述べたが、その保全コストを自然浄化機能に委ねることで経済的便益も発生する。また美しい景観を、農業者・居住者そして来訪者にも提供することで、環境的・経済的価値を高めることになる。 (2)インド、タミールナデュ、カーベリー川を分析した結果、河畔林のNO3-Nが、溜池や井戸に比べて平均値が15.9%高いということが分かった。作付期と非作付期における土地利用調査をした。 (3)緩衝地帯の環境資源価値の確定をした。 上記の情報により、森林伐採と植林のそれぞれのシナリオのもと、窒素やリンの潜在的増減を推定した。
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