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2000 年度 実績報告書

合成ペプチドを用いた抗ウイルス薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12760192
研究機関東京大学

研究代表者

高田 礼人  東京大学, 医科学研究所, 助手 (10292062)

キーワード合成ペプチド / 抗ウイルス薬 / ウイルス表面糖蛋白 / ファージディスプレイ
研究概要

現在までに多くのウイルス感染症は予防、制圧されてきたが、エイズ、ヘルペス、インフルエンザあるいはエボラ出血熱等の感染症に対する効果的な治療法は未だ確立されていない。本研究の目的は特定のアミノ酸配列をもつ合成ペプチドによってウイルスの感染を選択的に阻害する方法を開発する事である。
pSKANファージディスプレイシステムを用いて、現在までにインフルエンザウイルス蛋白質に特異的に結合するファージを選択した。また、エボラウイルスの表面糖蛋白をプラスミドから発現させ、精製する事に成功した。これを用いて、この糖蛋白に特異的に結合するファージを選択する予定である。
また、エボラウイルスの糖蛋白と宿主細胞の接着因子であるインテグリン分子の相互作用を示唆する成績を得たので、インテグリン分子上の領域でエボラウイルス糖蛋白と結合する可能性のある領域を検索する予定である。
さらに、エボラウイルス糖蛋白の幹部に存在する螺旋状部位が機能的に重要である事が判明したので、その部位と同様のアミノ酸配列を有する合成ペプチドを作成し、エボラウイルス表面糖蛋白でシュードタイプした豚水泡性口炎ウイルスを用いてウイルス感染性中和試験を行った。その結果、約80%のウイルスの侵入が阻止された。このペプチドは豚水泡性口炎ウイルスそのものの感染性には影響がなかった。これらの成績は、この合成ペプチドがエボラウイルス表面糖蛋白の立体構造の変化をさまたげ、その侵入を特異的に阻害したためと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Watanabe,S.,Takada,A.,Watanabe,T.,Ito,H.,Kida,H.,and Kawaoka,Y.: "Functional importance of the coiled-coil of the Ebola virus glycoprotein."Journal of Virology. 74. 10194-10201 (2000)

  • [文献書誌] Takada,A.,Watanabe,S.,Ito,H.,Okazaki,K.,Kida,H.,and Kawaoka,Y.: "Downregulation of β1 integrins by Ebola virus glycoprotein : Implication for virus entry."Virology. 278. 20-26 (2000)

  • [文献書誌] Ito,H.Watanabe,S.,Takada,A.,and Kawaoka,Y.: "Ebola virus glycoprotein : Proteolytic processing,acylation, cell tropism, and detection of neutralizing antibodies."Journal of Virology. 75. 1576-1580 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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