研究概要 |
脳心筋炎ウイルス-B株、コクサッキーB1,B2,B3,B5,B6株をプリオン蛋白欠損神経細胞株に感染させ継時的に観察したところ、これらのウイルス感染によって細胞変性効果が認められた。これらの結果を対象宿主細胞であるL929細胞株(脳心筋炎ウイルス-B株宿主細胞)およびHeLa細胞株(コクサッキーB株宿主細胞)と比較検討したところ、プリオン蛋白欠損神経細胞株の方が時間的に細胞変性効果が早く見られた。プリオン蛋白欠損神経細胞株における各ウイルスの増殖能の検定するために感染後継時的に培養上精および感染細胞を採取し、各サンプル中のウイルス力価よりウイルス増殖を測定したところ、対象宿主細胞であるL929およびHeLa細胞株に比べ、プリオン蛋白欠損神経細胞株におけるウイルス増殖能が高かった。各ウイルス誘発性アポトーシスの解析を解析したところ、対象宿主細胞であるL929およびHeLa細胞株と比較し、プリオン蛋白欠損神経細胞株はウイルス感染に伴うアポトーシス感受性を有していた。 上記3項目からなる解析結果を検討したところ、現在一般的に用いられているウイルス宿主細胞L929およびHeLaと本研究で用いたプリオン蛋白欠損神経細胞株とでは、EMC-B株、コクサッキーB株におけるウイルス宿主として、プリオン蛋白欠損神経細胞株が有用性のであると考えられた。
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