現在、DA系ラット(補助金で購入)に致死量以下の放射線を照射し、経時的に屠殺して胸腺を採材して以下のような解析を行っている。 1)6Gy照射したラット胸腺についてのフェノールクロロホルム法によるRNAの抽出。これをもとにcDNAを作製し、それを鋳型として様々なサイトカインプライマーを用いてPCRを行っている。サーマルサイクラー、プライマーは補助金で購入した。この結果については投稿準備中である。 2)8Gy照射したラット胸腺についての免疫組織学的解析とフローサイトメーターによる胸腺細胞の解析など。抗体は補助金で購入した。6Gy照射のものと比較して、回復の立ち上がりが遅いこと、回復が十分に行われないということを多面的に考察した。この結果については、第15回国際形態科学シンポジウム、第14回日本組織細胞化学会学術集会、第55回日本解剖学会中国四国地方会学術集会、第94回山口医学会学術集会にて筆頭演者として報告した(すべて2000年)。第24回リンパ学会総会、比較免疫学会、第30回日本免疫学会学術集会(すべて2000年)では共同演者として報告した。予備的な実験結果についてはリンパ学(23巻・2号、2000年)にて発表したが、その後の結果と考察については現在投稿準備中である。 3)4Gyを2度照射したラット胸腺についての免疫組織学的解析とフローサイトメーターによる胸腺細胞の解析など。単純1回照射に比べて、回復過程における細胞動態が違うこと、また、2度目の照射を最初の照射後どのくらい離して行うかで回復過程に変化が見られることを解析した。結果は第106回日本解剖学会学術集会(2001年4月)にて報告予定である。
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