研究概要 |
1.ラット血管条組織に発現しているCl^-チャネルのRT-PCR法による検索 これまでにクローニングされているCl^-チャネル(ClC-1〜7,ClC-K,etc.)の塩基配列をもとに作製したプライマーを用いて、血管条組織におけるCl^-チャネルm-RNAの発現の有無をRT-PCR法でスクリーニングしたところ、ClC-2,-3,-5,-K1の発現を確認した。我々の一連の研究成果を考慮すると、辺縁細胞の基底側膜に発現しているCl^-コンダクタンスを形成しているチャネルとしては、ClC-K1の可能性が最も高いと推測された。 2.辺縁細胞に局在しているCl^-チャネルm-RNAの同定(single cell RT-PCR法による) 上記の方法により血管条組織での発現を確認したClC-K1について,細胞レベルの局在について検討した。血管条組織の辺縁細胞は他の血管条構成細胞と複雑にからみあって存在しており免疫組織化学あるいはin situ hybridization等で局在を正確に示すのは困難と考え、本研究では単離辺縁細胞にpatch-clamp RT-PCR法を適用することにより、単一細胞レベルでの特定遺伝子の発現の有無を調べた。結果、単一辺縁細胞においてClC-K1のm-RNAの発現を証明した。
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