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2001 年度 実績報告書

炭水化物による遺伝子の転写促進機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770055
研究機関福井医科大学

研究代表者

山田 一哉  福井医科大学, 医学部, 助教授 (20263238)

キーワードピルビン酸キナーゼ / 転写因子 / クローニング / 炭水化物応答性 / USF / Hex / F3
研究概要

糖代謝系酵素のL型ピルビン酸キナーゼ(PKL)遺伝子と脂質代謝系酵素であるS14や脂肪酸合成酵素(FAS)遺伝子のプロモーター領域内には炭水化物応答性エレメントが存在し、肝臓では血中グルコース濃度の上昇に依存して転写が促進される。このエレメントに特異的に結合する因子であるL-IIIBPのcDNAのクローニングを行い、炭水化物による遺伝子の転写促進機構を解明することを目的として本研究を行った。
至適化した人工の炭水化物応答性エレメントを餌にして、イーストのone-hybrid systemを用いて、ラット肝および卵巣穎粒膜細胞cDNAライブラリーのスクリーニングを行った。その結果、肝cDNAライブラリーからはポジティブクローンを得られなかったが、顆粒膜細胞cDNAライブラリーからは、upstream stimulatory factor2(USF2)がクローニングされた。そこで、ラットUSF2の詳細な特定を行い、報告した。
次に、PKL遺伝子の炭水化物応答性エレメントを用いて、前述のcDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、肝cDNAライブラリーからhaematopoietically expressed homeobox(Hex)と呼ばれる転写因子をクローニングした。Hexの発現ベクターをPKL遺伝子プロモーター/ルシフェラーゼリポータープラスミドとともにラット分化型肝癌細胞MH_1C_1細胞にトランスフェクションを行ったところ、HexはPKL遺伝子プロモーターからの転写を抑制する事が明らかになった。現在、グルコース濃度に依存して転写活性が変動するかどうかを初代培養肝細胞の系を用いて検討中である。
また、FAS遺伝子の炭水化物応答性エレメントを用いて、肝cDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、basic helix-loop-helix型転写因子をクローニングした。本因子は、絶食ラット肝では発現が低下し、高炭水化物食により発現が誘導された。また、糖尿病ラットにおいても発現が低下し、インスリン投与により誘導が認められた。現在、この因子についても詳細に検討中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yamada, K.: "Cloning and functional expression of an E box-binding protein from rat granulosa cells"Biol. Reprod. 64. 1315-1319 (2001)

  • [文献書誌] Shimada, N.: "Alterations of gene expression in endoderm differntiation of F9 teratocarcinoma cells"Mol. Reprod. Dev. 60. 165-171 (2001)

  • [文献書誌] Kikkawa, E.: "Sp family members stimulate the transcription of hex gene via interactions with GC boxes"J. Biochem. (Tokyo). 130. 885-891 (2001)

  • [文献書誌] 山田一哉: "転写因子Sterol regulatory element-binding protein (SREBP)と糖質・脂質代謝"日本栄養食糧学会誌. 55. 45-50 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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