B細胞レセプターを介するB細胞の活性化にアダプター分子BLNKが必須の役割、特にPLC-γ/カルシウム径路に重要な役割を担っていることを既に明らかにしてきた。この実績に基づき、BLNKとBCR、BLNKとPLCγのカップリング機構について分子遺伝学的・生化学的手法を駆使して以下のことを明らかにした。 1) BLNKはリン酸化されることにより初めてPLC-γをリクルートし活性化するわけであるが、BLNKのリン酸化にはBLNK自身がBCR刺激により細胞膜の特異的領域(GEM分画)に移行することが必須である。 2) BLNKのGEM移行には、そのSH2ドメインが重要な役割を担っており、そのターゲットは、BCR自身のリン酸化されたIgαである。 以上のことにより、BCR→Igαリン酸化→BLNKのGEMへの移行→BLNKのリン酸化→PLC-γのリクルートメントの機構が明らかになった。
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