敗血症の原因であるエンドトキシン(LPS)1mg/ratをラット腹腔内に投与すると24時間でresident腹腔マクロファージが活性化像を呈し、24時間まで急激に細胞数が減少しその後増加した。一方、マスト細胞は48時間で著しく減少し、腹腔内ヒスタミン量も漸減した。この緩徐なマスト細胞の脱顆粒機構に活性化マクロファージの関与が示唆された。次にin vitroにおいてrat腹腔マクロファージを接着法で純度90%以上に分離し50μg/ml LPSで刺激して24時間後の培養上清を採取した。生物活性を長期維持する為に3T3 fibroblastとco-cultureした精製マスト細胞に活性化マクロファージ上清を添加して1、7時間後にfresh mediumに交換して48時間インキュベートしたものと48時間反応させたものを比較すると、48時間反応させた細胞に脱顆粒とヒスタミン遊離が認められた。更に活性化マクロファージが分泌するhistamine releasing factor(HRF)のcharacterizationを行なった。この脱顆粒反応は抗TNFα抗体、56℃30分間の熱処理では阻害されず、100℃30分間の熱処理、SBTI、cycloheximideで阻害された。以上の結果から緩徐な脱顆粒反応を起こすHRFは従来のTNFα、C3a、C5aとは異なる熱安定なプロテアーゼ様物質と考えられた。現在HPLCを用いたHRFの物質の同定とmacrophageから分泌されるNOの測定を検討している。
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