研究概要 |
腸管出血性大腸菌O157の産生するべロ毒素(Stx)は,腸管上皮細胞層の破壊を引き起こし,重篤な下痢症状を引き起こすことが知られている.StxはそのBサブユニットがGb3への結合に関与し、エンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ,細胞内で遊離したAサブユニットがリボソームに結合し,強力なタンパク質合成阻害作用を引き起こすことにより細胞障害を引き起こすことが様々な研究から示されてきた.アポトーシスの誘導には,細胞外からの種々の要因,すなわちFas-FasLやTNFαを介したレセプターによる刺激や薬物による刺激などが考えられているが,これらの刺激によって最終的には細胞内に存在するいくつかのプロテアーゼ(caspase cascade).我々はStxのBサブユニットをテトラサイクリン誘導プロモーターを用いた選択誘導系を用いて細胞内で直接発現させることによってアポトーシスを引き起こすことを明らかとした.
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