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2001 年度 実績報告書

レトロウイルスの出芽に関与する宿主因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 12770151
研究機関北海道大学

研究代表者

安田 二朗  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10282518)

キーワードレトロウイルス / 出芽 / 宿主因子 / ユビキチンリガーゼ / BUL1
研究概要

D型レトロウイルス(M-PMV)の出芽に関わるウイルス側のモチーフとして、以前にPPxY配列を同定したが、本年度は、更に、この配列と相互作用する宿主国子(BUL1)の新規同定に成功した(Yasuda and Hunter,1998、Yasuda et al.,投稿中)。
BUL1は、E3ユビキチンリガーゼ活性を持つNedd4様タンパク質で、WWドメインと呼ばれる領域を介してウイルスGagタンパク質に存在するPPxY配列と相互作用することを明らかにした。BUL1以外にも4種類のNedd4様タンパク質を新たにクローニングしたが、BUL1の過剰発現のみが顕著にM-PMV粒子産生を増加させた。PPxY配列は、レトロウイルス以外にもEbola virus、VSVなど多くのウイルスで保存されていることから、Ebola virusについても、同様の解析を行ったところ、BUL1ではなく、Nedd4がウイルス出芽を促進することがわかった。従って、PPxY配列を出芽モチーフとして持つウイルスは、ウイルス種ごとに出芽時に利用するE3が異なることが示唆された。
更に、WWドメインのみからなるBUL1の欠失型変異体が、dominant-negative変異体としてM-PMV粒子出芽を優位に抑制することも発見した。PPxY配列はHTLV-1やRSVなどのレトロウイルス以外にもEbola virus、VSVなど多くのウイルスに存在し、また、これと相互作用するWWドメインは、Nedd4様タンパク質間で良く保存されていることから、出芽抑制活性を持つ上記のdominant-negative変異体は、幅広いウイルス種に対する抗ウイルス剤としての効果が期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasuda, J: "T cell apoptosis causes peripheral T cell depletion in mice transgenic for the HIV-1 vpr gene"Virology. 281. 181-192 (2001)

  • [文献書誌] Yokoyama・H: "Development of nephritic syndrome with severe ascites in mice transgenic for the TT virus ORF1 gene"Journal of General Virology. 83. 141-150 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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