Schnurri-2はHIV、MHC、IFN-βなど主に免疫系に関係する遺伝子の転写制御領域に結合する因子として単籬された。Schnurri-2遺伝子が生体内において免疫系でどのような機能を担っているのか明らかにするために、Schnurri-2遺伝子のKOマウスの解析を行っている。 前年度までの研究経過 Schnurri-2ホモmutantのsplenocyteにおいて、CD4^+、CD8^+の成熟したT cellの数の減少が観察され、T cellの形成に異常があることが考えられた。成熟途中の段階の胸腺T細胞を調べると、CD4/CD8 single positive(SP)の細胞集団がほとんどmutantにおいてみられなかった。positive selectionが行われている時にみられる胸腺T細胞でのTCRαβ、CD69の発現の上昇がmutantではほとんどみられないことからpositive selectionの段階に異常があることが示唆されていた。また、胸腺の組織像を調べると、mutantにおいてCD4/CD8 SPの分布する髄質の発達が著しく低下していた。 平成12年度の研究成果 1)Schnurri-2変異マウスとTCR transgenicマウスの掛け合わせることにより、Schnurri-2ホモmutantの胸腺T細胞におけるnegative selectionは正常であるが、positive selectionに異常があることを明らかにした。 2)骨髄移植実験の結果から、Schnurri-2mutantの胸腺T細胞の分化異常は胸腺上皮細胞の異常による二次的なものではないことを明らかにした。
|