• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

記憶Bリンパ球の産生・維持機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770172
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

高橋 宜聖  国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (60311403)

キーワードFas / 胚中心 / 記憶B細胞 / クローン選択
研究概要

記憶B細胞の分化調節に及ぼすFasの役割を明らかにするため、(4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetylを結合したトリγ-グロブリン(NP-CG)でFas欠損マウス(lprマウス)を免疫し、胚中心における記憶B細胞分化のダイナミクスを解析した。
正常マウスでは、記憶B細胞の大部分が免疫初期の胚中心で産生され、免疫後期の胚中心ではその産生が停止する。そのため、胚中心に長期間とどまり、そのV_H遺伝子に体細胞突然変異を高頻度で蓄積したB細胞は、記憶B細胞にほとんど認められない。これに反し、免疫後にlprマウスで産生された記憶B細胞は、免疫後期の胚中心B細胞と同様に高頻度に変異を蓄積したV_H遺伝子を使用することが明らかとなった。これらの結果から、Fasを介した刺激は、免疫後期の胚中心において、高頻度に変異を蓄積したB細胞が記憶B細胞へ分化する過程を阻害している可能性が示唆された。
さらに、記憶B細胞への分化過程に及ぼすlpr変異の影響が、B細胞表面のFasの不良に依存するかどうか明らかにする目的で、RAG-1ノックアウトマウスへリンパ球の移入を行い、B細胞だけがlpr変異を有するマウスを作成した。このマウスをNP-CGで免役したところ、lprマウスと同様に高頻度に変異を蓄積したB細胞が記憶B細胞へ分化することが明らかとなった。以上の結果から、B細胞表面のFas分子には、過剰に変異を蓄積した記憶B細胞の産生を防ぐ機能のあることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takahashi,Y.,Ohta,H.,Takemori,T: "Fas is required for clonal selection in germinal centers and the subsequent establishment of the memory B cell repertoire."Immunity. 14. 181-192 (2001)

  • [文献書誌] (Nagaoka,H.)-(Takahashi,Y.), et al.: "Ras mediates effector pathways responsible for pre-B cell survival, which is essential for the developmental progression to the late pre-B cell stage."J.Exp.Med.. 192. 171-181 (2000)

  • [文献書誌] 下田美智子,高橋宜聖: "臨床免疫34"科学評論社. 6 (2000)

  • [文献書誌] 高橋宜聖: "新用語ライブラリー免疫"羊土社. 2 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi