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2001 年度 実績報告書

有機スズ化合物の神経毒性及び免疫毒性に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 12770177
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

角田 正史  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (00271221)

キーワードトリブチルスズ / ドーパミン / 中脳 / HPLC
研究概要

【目的】免疫毒性の検討に続き、トリブチルスズ(TBT)化合物の中枢神経毒性について検討した。脳各部位の神経伝達物質を指標にTBTの亜急性経口投与による神経毒性に関し検討した。
【材料及び方法】BALB/cマウスに対し1群5匹とし、塩化TBTをそれぞれ0、1、5、25、125ppm含む飼料を1ヵ月摂取させた。投与終了後、脳を6部位(大脳、小脳、延髄、中脳、線状体、下垂体)に分割、0.1%のcysteineを含んだ0.05M perchloric acidに浸し、ホモジェナイズしカテコールアミン及びインドールアミンを抽出した。サンプル中のnorepinephrine, dopamine (DA), DAの代謝産物、dihydroxy phenylacetic acid (DOPAC), homovanillic acid (HVA), serotonin (5-HT), 5-HT の代謝産物、5-hydroxyindoleacetic acid (5-HIAA)をECD付きHPLCで測定した。
【結果】1日当たりの餌、水の摂取量が125ppm投与群で他の群に比べ有意に低かった。投与期間中、125ppm投与群では5〜16日目まで体重が有意に低下した。脳各部位の神経伝達物資及びその代謝産物に群間で有意な平均値の差はなかった。神経伝達物質とその代謝産物との比で、中脳のHVA/DAの平均値が125ppm群において他の投与群に比べ有意に高く、対照群と比べても高い傾向にあった。
【考察】餌や水の摂取の125ppm投与群での有意な摂取量の低下は、このレベルでの全身影響、神経系との関わりが示唆される。神経伝達物質では中脳におけるHVA/DAが125ppmで高値で、TBTは特にこの部位でDA代謝に影響を及ぼしているのかもしれない。他の神経伝達の指標と合わせての検討が必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Konno, N.: "Effect of tributyltin on the N-methyl-D-aspartate (NMDA) receptors in the mouse brain"Archives of Toxicology. 75. 549-555 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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