研究概要 |
本研究の対象は、宮城県14町村に居住する40-64歳から構成されるコホート研究の女性24,769人である。同コホートは平成2年にベースライン調査が行なわれ、その後継続的に死亡、転出状況に関する調査が実施されている。これらの対象者について、平成12年度は宮城県新生物レジストリー委員会の承認を得て、宮城県地域がん登録資料との照合を実施することにより対象者の平成9年末までのがん罹患状況について調査を実施した。作業の方法としては、姓、名、性別、生年月日(元号、年、月、日の4項目)、居住市町村の計8項目についてコホート対象者の名簿と宮城県地域がん登録資料のデータをコンピューター上で照合し、6項目以上が一致する者を同一人物の可能性がある者として抽出した。その上で最終的に研究者が目視にてこれらの候補者が同一人物か否かの判定を行なった。 その結果、コホート対象者から295名の女性乳がん罹患者が判明したが、このうち150名は罹患日がコホートの追跡開始日である平成2年6月1日以前であった。残る145名のうち、2名は宮城県がん登録資料で判明しているのが再発時の診断年月日のみであり、2名は乳がん罹患日が居住町村からの転出日以降であった。本研究ではベースライン調査以降に引き続き同一町村に居住しかつ初発の乳がん症例のみを解析対象とするため、喫煙ならびに受動喫煙との関連を検討するために用いる乳がん対象症例数は141例となり、罹患追跡データが確定した。
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