都市域河川において、内分泌攪乱作用が疑われている化学物質である、ノニルフェノール(NP)、4-t-オクチルフェノール(OP)の分布を明らかにすること、都市域河川において各種細菌群数ならびに細菌相の流下にともなう変化を明らかにすること、都市域河川の各種菌群数について国際比較をおこなうこと、河川水中のNP、OPと各種細菌群数・細菌相との関連を解析すること、都市域河川水中のNP、OPおよび各種細菌群数・細菌相と都市諸指標との関連を解析することを目的として、本年度は以下の研究を実施した。 1.水質調査の実施 都市域河川として、江戸川、荒川、および都市部人口集中地区を流下する中河川である坂川水系において水質調査を行なった。理学的水質として、水温、pH、溶存酸素(DO)、BOD、全リン、無機リン酸、全窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、アンモニア性窒素、細菌学的水質として、一般細菌数、大腸菌群数、大腸菌数、推定腸内細菌群数、黄色ブドウ球菌群数、内分泌撹乱作用が疑われている物質として、ノニルフェノール、4-t-オクチルフェノールを計測した。江戸川、荒川、坂川水系における各種細菌群数のレベル、ノニルフェノール、4-t-オクチルフェノールの分布等を明らかにした。 2.ラオス・ビエンチャンにおける水質調査の実施 都市化が進行しつつある、ラオスの首都ビエンチャンにおいて、細菌学的水質を中心に水質調査をおこなった。(研究実施計画にある中国・上海市をラオス・ビエンチャンに変更) 3.河川流域自治体の都市諸指標の収集 調査対象河川の流域自治体について、人口動態、産業形態、土地利用状況、インフラストラクチャー整備状況、環境指標、健康指標、教育関連指標等、都市諸指標を収集・整理した(継続中)。
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