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2000 年度 実績報告書

有機リン農薬によるNK細胞及び細胞傷害性T細胞活性低下とそのメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 12770206
研究機関日本医科大学

研究代表者

李 卿  日本医科大学, 医学部, 講師 (50250048)

キーワード有機リン農薬 / NK / CTL / LAK / 免疫毒性 / DDVP
研究概要

【目的】近年高毒性の有機リン農薬の使用制限により有機リン農薬による急性中毒は急激に減少してきた。しかし、一方で、低毒性の有機リン農薬による生体への慢性的な影響、特に腫瘍監視機構の機能低下による発癌、化学物質過敏症、アレルギー等の免疫関連疾患のリスクの増大が懸念されている。従って有機リン農薬の免疫系に対する影響を明らかにすることは、予防医学上非常に重要であると考えられる。そこで、本研究は有機リン農薬によるNK及びCTL細胞活性への影響について検討した。
【材料と方法】(1)ヒトNK活性への影響:ヒトNK活性の測定は健常者の末梢血のリンパ球を分離し、このリンパ球をin vitroで有機リン農薬である(1)DDVP(2)DEP(trichlorfon)(3)Dimethoate(4)Acephateで処理した後、K562を標的細胞とし、細胞傷害反応による51Cr遊離を測定することにより行った。またヒトNK細胞株YT細胞及びヒトLAK細胞(lymphokine-activated killer)を用いて以上の実験も行った。
(2)マウスNK活性への影響:NK活性の測定はマウスの脾臓リンパ球を分離し、このリンパ球をin vitroでDDVPで処理した後、YAC-1細胞を標的細胞とし、細胞傷害反応による51Cr遊離を測定することにより行った。またマウスのLAK細胞を用いて以上の実験も行った。
(3)CTL(Cytotoxic T lymphocyte)活性への影響:CTL活性の測定は、マイトマイシンC処理YAC-1細胞をstimulatorとしてマウスの脾臓細胞と共存させ120時間の感作培養を行った後、CTLを回収し、その後NK活性測定と同様に行った。
【結果及び考察】(1)DDVP、DEP、Dimethoate、AcephateがヒトNK細胞活性を著明に阻害し、その阻害の強さはDDVP>DEP>Dimethoate>Acephateの順であった。
(2)DDVPがマウスのNK活性、CTL活性、YT活性及びヒトとマウスのLAK活性も著明に阻害する。
(3)この阻害の強さが細胞によって異なり、その順位はYT>human PBL NK>mouse splenic NK>mouse splenic CTL>mouse splenic LAK>human LAKであったことが分かった。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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