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2001 年度 実績報告書

慢性関節リウマチ滑膜における特異的発現遺伝子の多型解析による検討

研究課題

研究課題/領域番号 12770228
研究機関東京大学

研究代表者

山口 晃弘  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90261974)

キーワード慢性リウマチ / differential display法 / 遺伝子発現 / ID遺伝子 / FRP遺伝子 / FOSB遺伝子 / 滑膜線維芽細胞
研究概要

我々は、慢性関節リウマチ(RA)の滑膜組織における特異的発現遺伝子をdifferential display法により検出してきた。その結果、RAにおいて発現が増強した遺伝子で、inhibitor of differentiation 1(ID1)、follistatin related protein (FRP)、FOSBに注目した。
Idは細胞の分化、血管新生に関わる分子で、ID3はRAの疾患感受性遺伝子候補領域に位置する。滑膜組織における検討では、ID1, ID3はRAでOAに比して3-10倍の発現増加が確認され、特にId1分子はRA滑膜の血管内皮細胞での発現が著明であった。ID遺伝子のRAとの疾患感受性を検討する目的で、ID3遺伝子の遺伝子多型を検索したところ、イントロン1に1か所、エクソン2に1か所、エクソン3の非翻訳領域に2か所の多型を見いだしたが、いずれの多型も有意な疾患関連性は認められなかった。
FRPはRA患者の自己抗原として報告され、破骨細胞での発現も注目されている。
現在、ID1, ID3, FRPをRA滑膜線維芽細胞株E11に遺伝子移入を、またID1, ID3はHUVECにも遺伝子移入を行って、cDNAマイクロアレイシステムを用いた関連遺伝子発現プロファイリングを施行中である。
FOSBは骨芽細胞の発現やT細胞の分化の調節にかかわる転写因子であり、RA滑膜において遺伝子発現の増強が確認された。興味深いことに、RA滑膜ではFOSBに対して、スプライシングアイソフォームであるΔFOSBの発現が相対的に増加していた。FOSBは近年骨芽細胞の発現レベルでの制御やT細胞の分化の調節などとの重要な関連が報告されており、RAの病態に重要な役割を持つ可能性が示唆される。現在RA滑膜中で発現しているFOSB遺伝子のアイソフォームの機能を検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Sakurai D, Yamaguchi A, Tsuchiya N, et al.: "Expression of ID family genes in the synovia from patients with rheumatoid arthritis"Biochemical & Biophysical Research Communications. 284(2). 436-442 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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