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2001 年度 実績報告書

胆道系悪性腫瘍における増殖・転移機構の解析を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 12770261
研究機関広島大学

研究代表者

土田 明  広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80294586)

キーワード膵・胆道系悪性腫瘍 / 膵癌 / VEGF / PD-ECGF / 血管新生
研究概要

膵・胆道癌の予後を規定する因子として、増殖・転移があげられる。増殖・転移の過程には、血管新生が重要であると思われる。昨年までに、ヒト胆嚢癌の手術標本を用いて、血管新生因子の検討を行い、ONCOLOGY REPORTS、European Journal of Cancer等で報告した。次に,胆汁中の細胞を用いて、血管新生因子の発現を免疫染色にて検討を行ったが、血管新生因子の発現と予後との間に有意な相関は認めなかった。そこで以上の結果を、膵・胆道癌に応用し、膵癌患者の手術標本72例において、VEGF、FGF-2、PD-ECGF、CD34の発現について免疫染色を行い、血管新生因子の発現と微小血管密度(MVD)、臨床病理学的因子、予後との相関を検討した。
まず、ヒト膵癌におけるVEGF蛋白の発現を免疫染色で検討したところ、膵癌77%で腫瘍部に過剰発現を認めたが、正常膵では過剰発現は認めなかった。腫瘍内血管密度を算出し、VEGFとの関連を調べたところ、VEGFの発現と血管密度の間には有意な正の相関を認めた(P<0.05)。また、VEGFを高度に発現している患者では有意に生存率が不良であった(P<0.05)。
次に、血管新生因子として注目されているFGF-2、PD-ECGFの発現についても、免疫染色で検討を行った。その結果、膵癌でそれぞれ、58%、72%が陽性であったが、血管密度との間には有意な相関が見られなかった。また、PD-ECGFに関しては低発現群が高発現群に対して予後不良傾向を認めた。(AGA2001、2001年日本癌学会)
以上より、膵癌においてVEGF、PD-ECGFの発現はその予後と密接に関与している可能性が示唆された。現在,上記の内容を投稿準備中である。
今後も、膵・胆道系悪性腫瘍における増殖・転移機構の解析を目指して、引き続き症例を重ねて検討を行っていく予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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