本研究の目的は、HLA-A24-DR4陽性の活動性自己免疫性肝炎(AIH)症例の肝内で共通して認められるVβ7陽性T細胞の、AIH発症、病態進展におよぼす意義を明らかにするとともに、Vβ7陽性T細胞クローンのCDR3領域に共通して存在するアミノ酸配列が認識すると思われる、疾患特異的自己抗原を同定することである。患者さんに検体の一部を本研究に用いることを説明し承諾を得た後に採取した検体を用い、検討し以下の結果を得た。 §HLAA24-DR4陽性例の肝内浸潤TCRレパトア、CDR3領域アミノ酸シーケンス解析 A24-DR4陽性症例の生検肝組織、末梢血単核球よりRNAを抽出、T細胞TCRレパトアをVβサブファミリー特異的プライマーを用いたRT-PCRにより解析し、末梢血より肝内ではVβ7が優位に発現することを明らかにした。Vβ7のCDR3領域のアミノ酸シーケンスを行い症例間でのアミノ酸配列の共通性を検討したが、症例間で共通するアミノ酸配列は認めなかった。 §特定TCRVβ鎖陽性T細胞クローンの樹立と性状、機能分析 生検肝組織よりT細胞を分離、IL-2添加培養により増殖させVβ7鎖陽性T細胞をモノクローナル抗体を用いて選別、IL-2添加培養し生検肝組織より分離凍結保存しておいた肝細胞をフィーダーとして添加、抗原再刺激を行いクローンを樹立した。現在、このクローンのフェノタイプ、サイトカイン産生プロファイルを解析中である。
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