研究概要 |
1)肺炎球菌に感受性の高いCBA/Jマウスの大腿骨骨髄細胞をmGM-CSF 5ng/ml,10%FCS RPMIにて10日前後cultureすることによりDC(樹状細胞)を分化させ,フローサイトメトリーにて,経時的にCD11c,MHC classII等DCに特異的と思われる分子の発現を確認した。 2)CBA/Jマウスを用いて,肺炎球菌(3型,19型)を様々な菌数で気管内投与を行い,実験的肺炎モデルの作成に成功した19型においてLD_<50>を2X10^5個と決定した。 3)CBA/Jマウス大腿骨骨髄細胞由来のin vitroで10日間cultureしたDCに,19型肺炎球菌のheat killedもしくは,ホルマリン処理を行ったものを,数的にDCの10倍量で3時間pulseした。その処理を行ったDCを5X10^6個ずつday-14,day-8にCBA/Jマウス腹腔内に投与し,day0に19型肺炎球菌をCBA/Jマウス一匹当たり2X10^5個投与し,コントロール群と生存率の比較を行った。 4)マウスの系統による肺炎球菌に対する生体反応の違いを分析するために肺炎球菌投与後の菌特異的抗体価(血清IgG,IgA)の上昇の違いをBALB/c,CBA/Jマウスを用いてELISAにて確認した。 5)上記3)に示したように,DCを用いて肺炎球菌に対するvaccinationを行ったマウスと行っていないコントロールマウスでの肺炎球菌特異的抗体価(血清IgG,IgA)の上昇の違いを確認した。 6)経気管的に肺炎球菌を投与した場合に,マウス末梢血におけるDC前駆細胞の出現の有無を確認する目的で,マウス末梢血より単球の分離を行った。分離した単球の集団において,DCに相当する細胞分画をフローサイトメトリーにて確認し,CD11c,MHC classII等の発現を確認することを現在試みている。
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