心不全・心肥大ラットはminiosmotic pumpを用いて12日間isoproterenol(3ug/g/day)を投与することにより作成した。投与後、血圧(mmHg)、脈拍(beat/min)はそれぞれ、control群(139.6/439.3)、isoproterenol群(127.9/506.7)となり左心室重量(g)はcontrol群0.668、isoproterenol群0.705とisoproterenol群で増加した。心エコーによる検討ではisoproterenol群において左室壁の軽度肥厚を認めるもののpentobarbital麻酔下では左室収縮機能に両群間で差はみられなかった。左室心筋の染色標本ではisoproterenol群において間質、線維組織の増加が観察された。 各群左心室よりtotal RNAを抽出しreverse transcriptaseによりcDNAを作成した。PCRのprimerはfull sequence増幅用にヌクレオチド1-24、1564-1590に相応して作成した。truncated formのRGS3検出用にヌクレオチド937-965に対するprimerを作成し先のprimer(1564-1590)と組み合わせて3'側の増幅を行った。ラット左室心筋ではtruncated formのRGS3の発現が著明で、それに比べfull sequence RGS3の発現は乏しかった。control群、isoproterenol群間で、RGS3各formの発現に明らかな差はみられなかった。同様の検討をRGS4について行っているが、一定した結果はまだ得られていない。
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