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2000 年度 実績報告書

低容量超音波による血管内皮細胞への情報伝達

研究課題

研究課題/領域番号 12770336
研究機関東北大学

研究代表者

西條 芳文  東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00292277)

キーワード超音波 / 血管内皮細胞 / NO / 機械的刺激 / 超音波顕微鏡
研究概要

本研究の目的は、組織に温度上昇やキャビテーションなどによる障害を与えない程度の低容量の超音波を照射し、血管内皮細胞へ情報伝達を行うことが可能かどうかについて検討することである。
直径3cm厚み5mmのPZT平面振動子を直径6cm高さ1cmの円盤状のシャーレ中心に取り付け、インキュベータ中に設置可能なサイズの小型超音波照射装置を作製した。外部の超音波発生装置(ファンクション・ジェネレータ)にて周波数、超音波強度をコントロールし、超音波照射装置に信号を入力した。
対象として培養ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(以下HUVEC)を用いた。35mmディッシュにDulbecco's modified Eagle's mediumと10%ウシ胎児血清を加え、CO2濃度5%、温度37℃にコントロールしたインキュベータ中にてHUVECを培養した。12時間後にNOの蛍光抗体であるDAF-2DA(diaminofluorescein-2 diacethyl)10μMを溶解したKrebs-Ringer-Phosphate緩衝液(KRP)に取り替え、細胞に色素を取り込ませた。位相差顕微鏡にてHUVECがほぼConfluentな状態に達したことを確認し、DAF-2DAを10μM溶解したKRPに取り替え、インキュベータ中にて超音波の照射を開始した。超音波照射前と60分後に蛍光顕微鏡にて細胞内の蛍光を定量的に観測し、10視野での平均強度にてNO濃度の相対的変化について検討した。
超音波60分後では照射前に比較して蛍光強度が7%上昇し、これは有意な上昇であった。この研究成果により、薬物の全身投与ではなく体外から超音波を標的臓器に集中照射することで、冠動脈や脳動脈のスパズム予防や、肺毛細血管拡張による呼吸不全の改善などの新しい治療方法が創出されることが期待された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Saijo Y,Sasaki H,Sato M,Nitta S,Tanaka M: "Visualization of human umbilical vein endothelial cells by acoustic microscopy"Ultrasonics . 38・1. 396-399 (2000)

  • [文献書誌] Saijo Y et al.: "Evaluation of the inner-surface morphology of an artificial heart by acoustic microscopy"Artif Organs. 24・1. 64-69 (2000)

  • [文献書誌] Saijo Y,Chubachi N: "Microscopy"Ultrasound Med Biol. 26・suppl 1. S30-32 (2000)

  • [文献書誌] Saijo Y,Sasaki H,Nitta S,Tanaka M,Jorgensen CS,Falk E: "Collagen characterization by polarized and acoustic microscopy"Ultrasound Med Biol. 26・suppl 2. A57 (2000)

  • [文献書誌] Saijo Y et. al.: "Prediction of plaque rupture by finite element analysis of IVUS imaging"Ultrasound Med Biol. 26・suppl 2. A88 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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