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2001 年度 実績報告書

難治性循環器疾患に対する核酸医薬を応用した新しい治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 12770341
研究機関大阪大学

研究代表者

冨田 奈留也  大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (70314432)

キーワード遺伝子治療 / デコイ / 糸球体腎炎 / NF_κB / 腎移植 / 超音波造影剤
研究概要

昨年度までの実績よりデコイの有用性が示された。特に本研究では腎臓に的を絞り、デコイによる遺伝子治療法の開発をめざした。従来我々は1992年に世界で初めて報告したHVJ-リポソーム法による遺伝子導入を行ってきた。従来の方法でも動物モデルではデコイによる治療効果は確認できているが、やはり今後の臨床応用に向けてはより簡便で、効率がよく、副作用のない遺伝子導入方法の確立が急務であった。そこで本年度は従来の方法を改良した抗体付加リポソームの開発を試みた。コンセプトととしては腎臓が標的臓器であるため、腎臓を特異的にターゲットできる抗体の付加が必要であり、またリポソームの改良も同時に行い、抗体を組み込んだいわゆる抗体付加リポソームの作製を行った。さらに最終的はHVJをその後で反応させ、HVJ-immunoliposomeなるものを作製した。その導入効果についてFITCラベルしたデコイの導入により腎臓特異的特に糸球体特異的にほぼ90%程度の導入効率が確認された。また、投与方法としても従来の腎動脈からのアプローチではなく、末梢の静脈からの投与可能であるということも本法の大きな特徴である。本法を用いたデコイの効果についてはモデル動物にデコイを導入し、腎にける組織像及び蛋白尿の比較を行い、検討した。その結果、従来の方法を用いて導入した場合と同等あるいはそれ以上の効果が得られた。しかも導入ルートを考慮すれば大変意義のあることと考えている。さらに本年度は新たに近年注目されている超音波装置による遺伝子導入方法の確立を試みた。具体的には超音波造影剤と導入するデコイや遺伝子を混合し、腎臓に注入し、腎臓の外側よりジェルを塗布し、超音波を当てる方法である。その結果、超音波装置と超音波造影剤の併用による遺伝子導入方法が腎臓においてはかなり効率よく動くことが確認できた。また、造影剤の濃度設定や超音波照射時間などの検討も行い、その条件設定まで終了した、本法では導入する遺伝子やデコイと造影剤の混合物を直接腎臓に導入する必要があり、その意味でも移植腎をターゲットととしている。実際、ex vivoでも遺伝子あるいはデコイの導入が可能であることは既に確認済みであり、今後のモデル動物や大形動物での検討が必要であり、それと同時に期待されるものであると考えている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Matsumoto K, Tomita N et al.: "Inhibition of neointima by angiotensin-converting enzyme inhibitor in porcine coronary artery balloon-injury model"Hypertension. 37・2. 270-274 (2001)

  • [文献書誌] Tomita N et al.: "lnhibition of TNF-α-induced cytokine and adhesion molecule expressions in mesangial cells by transcription factor decoy for NF_κB"Exp Nephrol. 9・2. 181-190 (2001)

  • [文献書誌] Kawamura l, Tomita N et al.: "lntravenous injection of oligodeoxynucleotides to the NF_κB binding site inhibits hepatic metastasis of M5076 reticulosarcoma in mice"Gene Ther. 8・7. 905-912 (2001)

  • [文献書誌] Tomita N et al.: "Afamily of von Hippel-Lindau diseases revealed by pheochromocytoma"Hypertension Res. 24・5. 445-450 (2001)

  • [文献書誌] Tomita N et al.: "Potential therapeutic applications of decoy oligonucleotide"Curr Opin Mol Therapy in in press. 2・. (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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