1)現在までに、心筋梗塞患者59症例にたいしてドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECTを施行した。1例はドブタミン負荷中に全身倦怠感を訴えたため検査を中止したが、それ以外に検査中の副作用や事故はなく、この検査法は安全に行えることが分かった。 2)短時間収集心電図同期心筋SPECTによる左室壁運動評価を左室造影と対比した結果、両者の壁運動評価の一致率は高く、短時間収集心電図同期心筋SPECTによる左室壁運動評価は妥当であると判断された。(未発表データ) 3)上記59症例のうち、フルオロデオキシグルコース心筋ポジトロンを行った35症例において、ドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECTによる心筋バイアビリティの評価の妥当性をフルオロデオキシグルコース心筋ポジトロン断層法の心筋バイアビリティの評価を基準として検討した。その結果、ドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECTによる心筋バイアビリティの評価は感度は43.9%と比較的低いが、特異度は80.6%と非常に良好であることが示された。結論として、ドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECTは、壁運動異常はあるが生存している心筋を検出することができることが示された。(J Nucl Cardiol発表済み) 4)現在、その次の段階として、ドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECTによる心筋バイアビリティの評価の妥当性を、血行再建術後の壁運動の改善を基準に検討するために、ドブタミン負荷-心電図同期心筋SPECT施行症例の長期経過観察と、定期的な心筋シンチグラフィや心エコー図検査を行っている。
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