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2000 年度 実績報告書

骨髄間質細胞由来の心筋細胞におけるカテコラミン、アセチルコリン受容体の発現解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770351
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

伯野 大彦  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80286476)

キーワード骨髄間葉系幹細胞 / 心筋細胞 / カテコラミン受容体 / アセチルコリン受容体 / シゲナル伝達
研究概要

(1)各受容体の発現解析 5-azacytidineによる分化誘導前および誘導後6週までのCMG細胞を用いてRT-PCRを行った。カテコラミンα_1受容体mRNAは分化誘導前より発現が見られたのに対し、β_1、β_2受容体およびアセチルコリンM_1、M_2受容体は心筋としての表現型が完成する誘導後1週から発現しいずれも6週まで持続した。α_1受容体サブタイプの経時変化としてはα_<1A>は漸増、α_<1B>は不変、α_<1D>は漸減し、分化とともにいわゆるサブタイプのスイッチが起きている可能性が示唆された。
(2)受容体の機能解析
1.α_1受容体 誘導後2週の細胞をα_1刺激薬phenylephrine(10^<-8>〜10^<-5>M)で刺激し、WesternblotにてERK1/2のリン酸化を調べた。刺激後10分をピークにPhenylephrine濃度依存性にERK活性化が観察された。また、α_1遮断薬prazosinでこのERKリン酸化は抑制された。以上よりα_1受容体はERKリン酸化のシグナル伝達機能を有していることが示された。
2.β受容体 β刺激薬isoproterenol(ISP)負荷後の細胞内cAMP含量をラジオイムノアッセイで測定した。その結果、ISP濃度依存性にcAMP含量は増加し10^<-5>Mで約38倍となった。このcAMP増加はβ遮断薬propranolol(Prop)でほぼ完全に抑制された。また、誘導後4週の細胞の自己拍動数(ビデオカメラで記録)はISP刺激により約48%増加した。この拍動数増加はProp、β_1選択的遮断薬CGP20712Aの前処置で各79%、71%と有意に抑制されたがβ_2選択的遮断薬ICI118,551による抑制はわずかであった。以上よりβ受容体も機能を有し、ISPによる拍動数の増加は主にβ_1受容体を介していることが明らかとなった。今後ISP刺激による収縮力の変化、アセチルコリン受容体のシグナル伝達機能に関して解析を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 福田恵一: "心筋細胞の再生"医工学治療. 12巻4号. 870-876 (2000)

  • [文献書誌] 福田恵一: "骨髄細胞から心筋細胞への分化"Molecular Medicine. 38巻1号. 22-28 (2001)

  • [文献書誌] 福田恵一: "心血管tissue engineeringを目指した再生心筋細胞の開発"心臓. 33巻1号. 47-50 (2001)

  • [文献書誌] 福田恵一: "心臓の組織工学"医学のあゆみ. 196巻5号. 321-326 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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