研究概要 |
圧負荷による左室肥大モデル作成のため、大動脈縮窄術のトレーニングを行っている。性ホルモンの影響をいくつかのグループ間で比較検討するために、一定の状態を常に作成する必要がある。具体的には、術後4〜6週にて25-35%程度の心肥大が得られ、その肥大が各々のマウス間でばらつきが最小となるよう、つまり一定の圧較差が得られる必要がある。さらにその死亡率が2〜3割以内になる程度の大動脈縮窄となるようモデルを作成している。圧測定に用いるカテーテル(1.4F、ミラーカテーテル)を購入し、右頚動脈よりカテーテルを挿入し、上行大動脈圧と左室圧を測定し、その圧較差もしくは収縮期左室内圧の計測を行っている。 マウスの体格に伴い大動脈径が異なるため、その縮窄程度を変える必要がある。現在までのところ30g前後のマウスで26G針程度の内腔を保つよう縮窄を作成すると,圧較差が40-80mmHg程度となり、27G針程度では死亡数が多く(8割以上)、25G針程度では充分な圧較差が得られないという結果が得られている。しかし,26G針程度の内腔にても死亡率が3〜4割と高く、又、圧較差にばらつきが多くテクニックの安定を要する。さらに、メス、オス、また個体間で体格(体重)が異なるので、25g、35gと異なったマウスにおいても同様に至適な縮窄の程度をみつけていく必要がある。
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