1.心肥大モデル(マウス)の作成 心肥大における性ホルモンの関与を検討するにあたり、いくつかの心肥大モデルを作成中である。心肥大の原因にはいくつかの異なったものがあり、各々において、その心肥大の伸展過程、メカニズムに差異があると考えられる。従って心不全伸展過程における性ホルモンの役割も、それぞれ異なる可能性がある。 (1)圧負荷による心肥大 大動脈縮窄術による心肥大。圧較差、約50-80mmHgで25-35%程度の心重量の増加を4-6週間で得る。 (2)容量負荷による心肥大 現在二つのモデルを作成中。一つは前下降枝の結札による心筋梗塞モデルとカテーテルを用いた大動脈弁損傷による大動脈弁閉鎖不全モデル (3)心肥大に関与するシグナルの直接刺激による心肥大モデル β刺激薬(イソプロテレノール、30μg/g/day)、α1刺激薬(フェニレフリン、100μg/g/day)、アンギオテンシンII(50ng/g/day)をminiosmotic pumpを用い2週間の持続投与。 2.血行動態の測定 (1)左室内圧の測定 1.4Fのcatheter tip transducerを用い左室内圧、左室dP/dtを計測 (2)心エコーによる計測 壁厚、左室内径、%FS、およびLV massの測定を行っている。 現時点では、心不全のモデルの作成、基礎データ収集段階であり、今後、卵巣摘出モデルおよび摘出後のエストロゲン治療群、雄におけるエストロゲン投与の効果を検討していく予定である。
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