研究概要 |
(1)圧負荷ラットモデルの作成(圧負荷心肥大期モデル) Wister ratを麻酔下に腹部切開し両腎動脈直上の腹部大動脈を絹糸にて結紮し圧負荷モデルを作成した。圧負荷後1日・2日・3日・5日・7日・14日・28日の時点で頚動脈留置カテーテルより血圧・心拍数測定後、4%パラフォルムアルデヒドにて潅流固定し心摘出し、組織学的検討を加え、安定したモデルの作成に成功した。 (2)Dahl不全心ラットモデルの作成(圧負荷不全心モデル) 7週齢より8%高食塩食を開始したDahl食塩感受性ラットを飼育し、心不全モデルを作成した。血圧は尾動脈より測定し、左心機能は心エコーを用い経時的に評価し、安定したモデルの作成に成功した。 (3)HGF cDNA融合HVJ vectorの作製 vectorの作製については、大阪大学細胞工学センターの金田助教授、森下先生らの協力により精製前HVJ(Hemmagglutinating Virus of Japan,Sendai virus)の供給を受け、ベクター作製法を確立した。FITC標識オリゴDNA及びLacZ plasmidをカテーテルを用い、経冠動脈的に心臓へ発現させることに成功したが、カテーテルを用いた方法ではHGF遺伝子の発現が弱く現在新たな投与方法を検討中である。 (4)rat大腿筋へのNaked DNA法による遺伝子導入 HGF plasmidの筋注後Western Blotにて血中HGFの発現を確認した。 (5)HGF,c-Metレセプターの免疫組織化学的・生化学的検討 現在圧負荷モデル心に対し、抗HGF抗体および抗c-Metレセプター抗体による免疫組織染色・in situ hybridizationを行い心肥大期・不全期でのHGFの発現とその組織内局在を検討中である。
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