1)患者由来の腫瘍細胞の検討 患者または患者親権者の同意のうえで、初発の小児がん患者の腫瘍細胞から、cell lineを確立した。 2)IL12receptor、IL18receptorの細胞表面での発現 IL-12、IL-18はともに、強力なIFN-γ産生の誘導能を有する。IL-12receptorは、βI、βIIから構成され、IL18receptorは、α、βから構成されている。IL-12、IL-18の抗癌作用を解析するために、遺伝子組換え技術を応用してIL-12receptor、IL-18receptorを作成し、それらを発現ベクターに組み込んで発現実験を行い、マウスB細胞に発現させた。これらreceptorの発現はフローサイトメトリーを用いて確認した。IL-12receptorβII、IL-18receptorαは、IL-12receptorβI、IL-18receptorβが存在しなくても、それぞれ単独で、IL-3依存性マウスB細胞表面上に発現した。IL-12receptorβI、IL-18receptorβについては、現在発現実験を施行中である。さらに、IL12receptorβII、IL18receptorαの遺伝子構造を変化させたmutantを作成し、receptorのタンパク立体構造が変化した変異体を作成した。変異体を正常なreceptorと同時に発現させ、活性の違いを測定した。このベクターの導入により、IL-12receptor、IL-18receptorが発現する事が確認された。 現在、各種腫瘍株に、IL-12receptor、IL-18receptorを強制発現させ、細胞の増殖、アポトーシスへの誘導の有無について、さらに詳細な研究を実施中である。
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