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2000 年度 実績報告書

極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症日本人症例の病因解析

研究課題

研究課題/領域番号 12770386
研究機関島根医科大学

研究代表者

内山 温  島根医科大学, 医学部, 助手 (00304262)

キーワード極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症 / 臨床病型 / 遺伝子型 / 遺伝子解析 / 温度感受性
研究概要

極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症は、ミトコンドリアβ酸化スパイラルの第一反応を触媒し、長鎖脂肪酸に基質特性を持つ酵素の異常により生じる脂肪酸β酸化異常症の一つである。この疾患は、小児重症型、小児軽症型、そして筋型の3つの臨床病型に分類される。
本研究では、日本人のVLCAD欠損患者5症例に関して蛋白質・遺伝子レベルでの解析を行った。臨床病型は筋型3例、小児軽症型1例、そして小児重症型1例であった。イムノブロットでは筋型では薄いバンドを認めたが、小児重症型および軽症型ではバンドを認めなかった。遺伝子レベルでは筋型の3例にそれぞれA416T/R450H、K264E/M437V、そしてA416T/1798delA変異を、小児軽症型では、P89S/IVS16-delAA変異を、そして小児重症型ではE130del/K382Q変異を同定した。小児重症型の変異は2つのアリールともnull変異であった。他の5つのミスセンス変異についての発現実験では、温度感受性を有する残存VLCAD活性を認めた。残存活性はK264E>P89S>A416T>R450H>M437Vの順であった。null変異は残存活性を持たなかった。これらの結果は、null変異の臨床病型は小児重症型になり、点変異、またはフレームシフト変異は小児軽症型ないしは筋型になり得ることを示している。
本研究の結論として、温度感受性を利用した発現実験を行えば、臨床病型と遺伝子型との相関関係を明らかに出来る可能性が示唆された。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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