染色体22q.11の欠失する複雑心奇形に伴う副甲状腺機能低下症において、副甲状腺カルシウム感受性受容体の突然変異(ミスセンス変異、欠失、挿入)や転座を検討している。研究計画に従って、対象の染色体22q11.2欠失を伴う心奇形例、22例(副甲状腺機能低下症を示す群12例、副甲状腺機能正常群10例)において、Genomic DNAを抽出し、また分離したリンパ球をEB virusに感染させて、リンパ球由来細胞株の樹立を行い、genomic DNAを各種制限酵素で切断後、アガロース電気泳動でDNAフラグメントを分離し、サザンブロット法を行った。全例施行していないが、ヒト副甲状腺カルシウム感受性受容体に対して、サザンブロット法では陽性のバンドを検出できている。 またヒト副甲状腺カルシウム感受性受容体に対するセンス・アンチセンスプライマーを利用して、DNA PCRを行い、PCR産物を各種制限酵素で切断し、アガロース電気泳動を行った。正常コントロールを比べて、バンドに差を認めた症例において、現在PCR-SSCP並びにPCR産物の塩基配列を検索中である。残りの症例でサザンブロット法、DNA PCRを行い、ヒト副甲状腺カルシウム感受性受容体の突然変異の疑い例で塩基配列の決定を行っており、まだ変異を確認していない。
|