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2000 年度 実績報告書

赤血球造血における転写因子FKHRL1の分子生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 12770395
研究機関自治医科大学

研究代表者

柏井 良文  自治医科大学, 医学部, 助手 (10271222)

キーワードエリスロポエチンシグナル伝達 / 赤血球造血 / フォークヘッドファミリー転写因子 / アポトーシス / Akt / ホスファチジルイノシトール3キナーゼ / UT-7
研究概要

エリスロポエチン(EPO)は赤血球系細胞の増殖・分化・生存の制御に重要な造血因子である。ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)系がEPOシグナル伝達系の重要な経路の一つであることが明らかにされている。本研究ではEPO依存性のヒト白血病細胞株UT-7/EPOを用いて、EPOがPI3Kの下流に存在するAktのリン酸化を誘導することを明らかにした。Aktのリン酸化はPI3KのインヒビターであるLY294002によって阻害されたことから、EPO刺激によるAktのリン酸化はPI3K活性に依存することがわかった。さらにAktの基質としてヒストンH2BとGSK3を用いてin vitroキナーゼアッセイを行い、EPOが実際にAktの活性化を誘導していることを確認した。UT-7/EPOに恒常活性型Aktを遺伝子導入したところ、培養上清中からEPOを除去した際のアポトーシスを一部抑制した。このことから、PI3K-Akt経路はEPOの生存効果に一部関与していることが明らかになった。さらにAktの下流に存在する分子としてforkheadファミリー転写因子のひとつであるFKHRL1の関与を検討した。UT-7/EPOにおいてEPOはFKHRL1のスレオニン32とセリン253残基のリン酸化を誘導し、このリン酸化はLY294002によって阻害された。さらにin vitroキナーゼアッセイにより、Aktが直接FKHRL1をリン酸化することを明らかにした。FKHRL1は正常赤血球系前駆細胞、未熟赤芽球に発現しており、EPO刺激によってリン酸化されたことから、PI3K-Akt-FKHRL1経路は赤血球造血において重要な役割を果たしていることが推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yoshifumi Kashii: "A member of Forkhead family transcription factor, FKHRL1, is one of the downstream molecules of phosphatidylinositol 3-kinase-Akt activation pathway in erythropoietin signal transduction"Blood. 96・3. 941-949 (2000)

  • [文献書誌] Masaru Tanaka: "Forkhead family transcription factor FKHRL1 is expressed in human megakaryocytes and regulates cell cycling as a downstream molecule of TPO signaling"J Biol Chem. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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