ゴーシェ病はライソゾームに存在するglucocerebrosidaseの遺伝的欠損により様々な臨床症状をていする疾患である。最も激症型は新生児期に胎児水腫を主徴として発症する新生児型ゴーシェ病である。本症には出生後に治療を開始しても十分な効果が得られるとは考えにくい。そこで将来的には出生前の治療も視野に入れておく必要がある。我々はそれらを見据えゴーシェ病を対象に出生前治療を行うことを目的とし基礎実験を開始した。まず妊娠マウスの子宮内にLacZ遺伝子を発現するアデノウイルス(AxCALacZL)を投与した。我々がラットで観察したものと同様に投与時期により感染組織が異なった。特に脳を標的とした場合E12での投与が最も効率良く遺伝子導入ができた。 平成13年度はゴーシェ病マウスを用いて出生前の治療を行う予定である。
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