はじめにPanning法を用いて、BALB/cマウスの表皮から95%以上の高純度のランゲルハンス細胞(LC)を単離した。このLCを完全培地中で培養したところ、48時間後まで経時的なIL-12p40の産生がELISAで確認されたが、IFN-γあるいは抗CD40抗体によるCD40 ligationの刺激によってその産生が著明に亢進し、また両者の刺激は協調作用を示した。GM-CSFを同時に加えたところ、LCのIL-12p40産生は強力に抑制され、ELISAでみたp40の蛋白レベルのみならず、IL-12依存性の細胞株2D6の増殖によるバイオアッセイでも確認された。RT-PCRにより、IL-12p40の転写レベルでの抑制が示唆された。ケラチノサイトの培養上清も、刺激されたLCからのIL-12産生を抑制し、IL-1αのもとで培養したKCの上清ではさらに強い抑制をみた。この抑制はGM-CSFの中和抗体でブロックでき、IL-12産生の抑制がケラチノサイトの分泌するGM-CSFによることが示された。 次に、LCがTGF-βの受容体を有することをRT-PCRで確認し、TGF-βが、LC表面のICAM-1分子とCD40分子の発現を有意に抑制することをFACSで示した。anti-CD40/IFN-γ刺激下でTGF-βを加えたところ、LCのIL-12p40産生をさらに亢進した。この作用は特にCD40ligationのもとで著明であり、p40蛋白レベルのみならずバイオアッセイでも確認できた。最後に、IL-12産生が、GM-CSFとTGF-βによりそれぞれ独立して調節され、両者のバランスがその最終的な産生量を決定することを示した。皮膚の微小環境に存在する両サイトカインが、Th1-Th2バランスに重要な役割を演ずることが示唆された。
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