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本研究の目的は、悪性黒色腫の抗癌剤に対する多剤耐性の薬剤耐性遺伝子がそれぞれの症例において、予後や悪性黒色腫の再発に関係しているかを研究することにある。昨年度は、抗癌剤投与前後でこの薬剤耐性遺伝子の発現を比較検討可能な症例を実際に検討し、8症例において抗癌剤の投与前後で他の基準になる内因性の遺伝子に比して薬剤耐性遺伝子(MRP)が抗癌剤使用後にどのような変化を示すかを検討した。
これらの症例のなかで再発の有無や、再発した場合の再発までの期間、その後の経過、さらに施行された化学療法の種類などを比較できるよう検索したところ、現時点では8症例中6例において化学療法後に薬剤耐性遺伝子が増加傾向にあることがわかった。しかし、再発までの期間や化学療法の種類による違いははっきりとしなかった。新しい症例についてはさらに検索を続ける予定である。
今年度は、今回購入したシステムを使用して、腫瘍以外の細胞が混入したり細胞数が一定しないなどの不確定な要素を排除するための訓練を行い、およそどの程度の細胞数で検討可能かを検索した。
現時点では、追加検索が可能な症例がないため以前、実体顕微鏡下で行った研究がこのシステムを導入することによりどのような差が生じるかも併せて検討して、切片一枚からでも以前よりも正確な検討が可能あることがわかった。
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