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アトピー性皮膚炎(AD)患者の表皮でスフィンゴミエリンデアシラーゼの活性が異常亢進し、セラミドの代わりにスフィンゴシルフォスフォリルコリン(SPC)が生成されることを検証するため健常者、AD患者の無疹部、皮疹部につき採取した角層から脂質を抽出し、HPTLCにより分離し、標準SPCと泳動度の一致する部分を掻き取って高速液体クロマトグラフィー/質量分析を行い、まず、角層内にSPCが存在することを確認した。次に、角層中のSPCを[^<14>C]-C2-スフィンゴミエリンに変換させた後、HPTLCにて分離し、オートラジオグラフィーにより[^<14>C]-C2-スフィンゴミエリンの放射活性を測定することで角層内SPCを定量した。このほかに角層内セラミドも定量した。この結果、健常者ではSPCが相対的に高い人はセラミド量は低い傾向を示し、AD患者の場合、皮疹部では健常者に比べてSPCは有意な増加を示したが無疹部では有意差はなかった。一方、セラミド量は健常者・AD無疹部・AD皮疹部の順に減少した。これは予想した通りの結果であり、今後はさらにスフィンゴシンの定量も行い、セラミドが黄色ブドウ球菌の有するセラミダーゼによりスフィンゴシンに分解されてセラミドの減少に関与しているのか否かを検証したい。
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