アトピー性皮膚炎(AD)患者での角層セラミド低下の要因として、表皮でスフィンゴミエリンデアシラーゼの活性が異常亢進し、セラミドの代わりにスフィンゴシルフォスフォリルコリン(SPC)が生成される説を提唱し、平成12年度に検討し、すでに報告した。 平成13年度は、AD患者での角層セラミド低下の要因として言われているもう一説、細菌由来セラミダーゼの説について検討した。 皮表細菌数を測定し、同部位でのセラミダーゼ活性とスフィンゴシン量からセラミド減少への細菌の関与をみたところ、その結果、細菌数はAD患者で増加していたが、セラミダーゼ活性は健常者に比し上昇を認めず、また、スフィンゴシン量は有意に低下し、セラミダーゼの関与は弱いことが示唆された。
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