本研究はヒトアトピー性皮膚炎モデルであるマウスの繰り返しハプテンチャレンジにより引き起こされる即時型接触過敏反応(即時型CHS)に及ぼす中波長紫外線の抑制効果を検討するものである。計画1年目において次に記す事項が達成された。 1)UVBによる即時型CHSの抑制が確認された。 2)従来のCHS(遅延型CHS)においてのUVB感受性(UVB照射でCHSが抑制されるかどうか)は腫瘍壊死因子α(tnfα)の遺伝子型に拘束するといわれてきたが、UVBによる即時型CHSの抑制は従来のセオリーと対照的にtnfαの遺伝子型には拘束しなかった。 3)UVB照射により即時型CHSが抑制されたマウスよりリンパ球を回収し、抗原感作を受けていないナイーブマウスにトランスファーし、その後そのマウスを感作、チャレンジしたところCHS反応は顕著に抑制された。この事実は、UVBが即時型CHSマウスにおいて「いわゆる」サプレッサーT細胞を誘導しうることを示唆する。 この内容は2000年9月に独・ベルリンで開催されたEuropean Society for Dermatological Research(ESDR)で発表し本年5月米・ワシントンDCで開催されるSociety for Investigative Dermatology(SID)で発表予定である。 以上の内容をもって現在申請者は論文の投稿準備中である。
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