研究概要 |
シンクロトロン放射光を利用したX線検査のための代謝機能診断薬の開発の手始めとして、撮影系に申請者らが既に開発した反射型結晶素子を用いたX線位相撮影系を選択し、これによる機能造影剤の評価を病態モデル動物の撮影により行った。X線は、高エネルギー加速器研究機構のARにおいてベンディングマグネット光源装置より放射されるX線エネルギー30keVのシンクロトロン放射光を、非対称シリコン単結晶4枚で空間干渉効果を高めて利用した。画像は増感紙を用いずに乳房撮影用X線フィルムに記録した。被写体として、DLD-1(ヒト大腸癌由来培養細胞)担癌ヌードマウスを作成し、合成および注射液に調製したチロシン誘導体3-iod-α-methyl-L-tyrosine(I-AMT)25mg/kgを投与し5,10,15,30分で屠殺して用いた。いずれの被写体においても造影効果は認められなかった。今後、他の撮影系による評価を行うことが期待される。
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