高精度な放射線治療を行うには、その高い位置的精度を保障するシステムが必要である。保障するシステムの一つとして照射野の電子的照合がある。この電子的照合をElectric Portal Deviceやデジタル化した位置決めX線照準写真と照合X線写真を使用して行い、治療計画装置と治療装置をオンラン化したシステムにより、治療開始時や治療期間中の照射野の誤差を速やかに治療装置にフィードバックするシステムを確立する。 (1)治療計画装置、治療装置(Electric Portal Deviceを含む)、治療計画CTとオンラインで連結したが、デジタルラジオグラフイー装置はオフラインとなった。そのため、画像読み込み、画像処理とDICOM表示、保存用PCを整備して、歪み補正ソフトMeviesを組み込んだPCをオンラインで結んだ。 (2)Electric Portal Device画像、治療計画CTの再構成画像、位置決め照準X線写真のデジタルラジオグラフイー画像をPCに画像に取り込み、DICOMフォーマットで保存しMeviesに転送した。 (3)Meviesで各画像の歪みの補正を行い、PCに画像転送した。 (4)オンラインで繋がったPC上で、汎用画像処理ソフト(PIPSPRO)で画像重ね合わせとずれを計測した。 (5)以上のシステムを臨床応用し、部位別のデーターを集積した。頭部の定位多軌道照射では頭蓋骨輪郭で、頚部では体輪郭と椎体、軟部影で、骨盤部では坐骨輪郭で比較的容易に画像重ね合わせが可能であった。位置的ずれは頭部、頚部で2-5mm、骨盤で5-10mm程度であった。胸部や腹部についてはは、画像処理によって画像重ね合わせが容易になるようにシステム全体の構築を検討中である。 来年度は、全ての機器をオンラインで繋ぎ、臨床例を蓄積して行く予定である。
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